1.自民党議員団からの抗議文

1.自民党議員団からの抗議文

令和7年11月28日

港区長 清家 愛 殿

抗議及び要請文

 

わが会派は、次のとおり抗議し、強く要請する。

 

1 抗議及び要請の趣旨

本年第4回定例会に提出された令和7年度港区一般会計補正予算(第5号)中、(仮称)分庁舎賃借費232,190,640円及び債務負担行為(令和8〜12年度:1,160,953,200円)について、撤回を求める。

 

2 抗議及び要請の理由

要請の理由は下記の4点である。

 

(1)         前提となる「将来に向けた持続可能な区役所への改革」について、その全体像すら示されておらず、区民サービス低下の影響分析がなされていないこと

(2)         実施予定の区民意見聴取を未実施のまま、向こう5年間で25億円もの巨額の支出が見込まれる補正予算案を提出したこと

(3)         担当課長による誤った答弁など適切な審議を行っていないこと

(4)         本会議において区長により虚偽答弁がなされたこと

 

以下、順に詳説する。

(1)         前提となる「将来に向けた持続可能な区役所への改革」について、その全体像すら示されておらず、区民サービス低下の影響分析がなされていないこと

支所人員433人のうち192人、44.3%の人員が移動することになる本庁回帰及び移転を伴う区役所再編は、高齢者や障害のある方への影響が大きいにもかかわらず、細やかな分析がなく、手続時間の増減分析もない。

また、業務負担の変化や、福祉・まちづくり機能の弱体化への評価もなく影響検証が一切示されていない。検証がされないままの巨額投資は、行政の責任放棄となる。

 

(2)実施予定の区民意見聴取を未実施のまま、向こう5年間で25億円もの巨額の支出が見込まれる補正予算案を提出したこと

令和7年5月1日付で区役所改革担当が作成した「将来に向けた持続可能な区役所への改革の取組について(案)」との行政文書において、本年5月から7月に区民アンケートを実施するとの記載があるが、実施されていない。

本件議案は、区民の意見を基礎としない計画であり、説明・意見聴取もないものである。区民サービスの根幹に直結するにもかかわらず、区民への説明も、意見聴取も一切行われていないことは、住民自治を基礎とする行政として致命的であり、政策形成プロセスの正当性を欠くものと判断するほかない。

 

(3)担当課長による誤った答弁など適切な審議を行っていないこと

本年10月21日に実施されたDX推進・行財政等対策特別委員会において、星川課長から下記のとおり答弁があった。

 

-以下引用-

星川課長「意見の集約の仕方につきましては、確かに今回、行政改革の所掌でございます当特別委員会に御報告はさせていただいておりますけれども、港区議会の各議員の皆様の中で様々な御意見もあると思いますので、各御説明、御意見ということは、日々こちらで受け取らせていただくということもございますけれども、正式な報告の場とか委員会の場につきましては、少し議会事務局と調整しながら、当委員会にとどまらず、少し幅広めに検討をこれからしていきたいというところを考えてございます。」

-引用終わり-

 

上記答弁は、当該特別委員会のみならず、広く報告を実施すると解釈できるものであった。答弁した内容の不作為は、議会に対する責任の放棄であり、到底許容できるものではない。

各委員会には、事前に計画の全体像、評価指標、影響分析、財政見通しなど、審査に必要な情報が何ひとつ示されていない。議会にとって「審査不能」の状態であり、これで巨額の予算を提出することは、議会軽視そのものである。

本件議案は、広範な業務にわたって影響が生じうる内容を含んでおり、各常任委員会において審議を行う必要があるものであって、明らかに当初予算として計上すべきものである。補正予算として計上することに、正当性はない。

わが会派から、議案の分割を要請し、副区長からは技術的には可能であると答弁があったが、最終的に分割に応じてもらうことはなかった。

 

(4)本会議において区長により虚偽答弁がなされたこと

今定例会の区長答弁において、区長は、支所人員433人のうち、154人を移動させるとの答弁であったが、実際に移動する支所人員は192人であり、実際には44.3%の人員が移動することになるにもかかわらず、不当に少なくする印象操作を行った。

 

以上4点を踏まえると、このような状況下で25億円以上の支出が見込まれる本補正予算案を計上・提出することは到底容認できず、審議できる状況に至っていると評価することはできない。撤回の上、区民意見聴取・影響分析・説明と議論など当然のプロセスを丁寧に経た上で熟度を高めた後、再提出されるよう要請する。

 

 

 

2.抗議文に対する区長からの回答

3.自民党反対討論

 

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